日本人の死因順位をご存知ですか?脳卒中は、ガン、心疾患に次いで、日本人の死亡原因第3位 ( 1980年までは1位 ) に入る恐ろしい病気です。脳卒中の歴史は古く、紀元前前にも存在した記述が残っており、長年、人類と歩んできた天敵でもあります。つまり、それだけ注意をしなくてはならない病気であるということです。

脳卒中とは、脳の血管が詰まったり、破れたりして脳の機能が損なわれる病気の総称です。脳の血管が詰まる脳梗塞、脳の太い血管が破れて脳の表面に出血するくも膜下出血、脳の細い血管が破れて脳の内側に出血する脳出血の3つのタイプに大別できます。

現在脳卒中の75.4% ( 脳出血が17.8%、くも膜下出血が6.8% 脳卒中データバンク2009 ) を占めており、平成23年後の死因第4位となっているのが脳梗塞です。
脳の中には血管が張り巡らされており、血液によって酸素や栄養が運ばれていきます。この脳の血管で動脈硬化が進むと、血管の内腔が狭くなり、そこに血栓が詰まるとその先の血管へは血液が流れなくなります。心臓で出来た血栓が飛び、血管を詰まらせることもあります。
脳の血管に血栓が詰まるとその先には血液が流れなくなりますが、早期の治療で血流が再開すれば、その部分の脳の機能が回復し、後遺症が残らずに済む可能性が高くなります。

脳梗塞の治療の中心は主に血栓溶解薬を用いた薬物療法です。近年はt-PAという薬が使われるようになりましたが、副作用として出血を招きますので、安全な治療のためにいくつか条件が定められています。

t-PAを使用できる条件
・発症から4時間以内であること
・2週間以内に大きな手術を受けていない
・過去に脳出血を起こしていない
・脳の変化が広範囲に渡っていない

t-PAが使用できない場合はカテーテルを使用した血栓除去術という治療が用いられます。
脳梗塞は再発しやすい病気です。治療後は再発予防のために生涯薬をのみ続け、生活習慣を改善する必要があります。
また、脳梗塞に似た症状が24時間以内に消失することがありますが、これは一過性脳虚血発作 ( TIA ) といいます。治ったからといって放っておくと数か月以内に約20%の人が脳梗塞を発症するといわれています。気になる症状があらわれたらすぐに神経内科などの専門の医療機関を受診してください。

くも膜下出血とは、脳の表面にある血管の枝分かれした部分の血管の壁が、血流の圧力を受け続けることによって風船のように膨らみ、脳動脈瘤という瘤ができ、その瘤が破れて脳を包み込んでいるくも膜の下に出血が広がった状態をさします。
治療の際に最も重要なのは、瘤の再破裂を防ぐことです。くも膜下出血が疑われた場合、CT検査が行われます。破れた瘤はかさぶたができるように固まるため、出血は止まりますが、非常に破れやすい状態です。再度、瘤が破れて再出血を起こすと命を落とす危険性が高まるため、CT検査でくも膜下出血が確認されたら、瘤の再破裂を防ぐために血圧を厳重に管理します。また、強い痛みが起こるため、痛みを鎮める治療も行われます。脳血管カテーテル検査により、瘤の正確な位置や状態を確認した上で手術法が検討されます。
手術法は主に、2種類で、頭開クリッピング術とコイル塞栓術があります。どちらの手術を受けた場合でも、術後に脳の血管が収縮して血流が悪くなり、重度の脳梗塞を起こす危険性があるため、術後2週間は血圧や脳圧などの全身管理を受けながら、慎重な経過観察が必要です。後遺症の程度なども術後2週間以後でないとはっきりしません。
くも膜下出血で特に注意が必要な人は、高血圧や飲酒、喫煙などの生活習慣がある人に加えて、くも膜下出血を起こしたことのある家族がいる場合や、脳ドックで未破裂脳動脈瘤が見つかった人です。当てはまる場合は特に気を付けましょう。

脳出血は主に、脳の中の細い血管が血流の圧力によってもろくなり、破れるために起きます。長年の高血圧が影響することも多いです。
脳出血の治療では出血を止め、血腫が広がらないようにする必要があります。出血自体は多くの場合早期に自然に止まりますが、まれに再出血が起きるので、再出血を防ぐ内科的な治療を行い、経過を観察します。
大切なのは血圧を管理することで、合併症や全身状態の管理、脳浮腫や全身の痙攣を抑える治療もおこなわれます。CT検査で血腫の拡大が確認された場合はそれを取り除く手術として開頭血腫除去術や定位的血腫吸引術などが検討されます。

■脳卒中の主な症状

脳卒中を起こした場合、できるだけ早くリハビリテーションを始めた方が手足などの機能が回復しやすいといわれています。無理なく、できる範囲でいいので、継続して行っていきましょう。また現在、地域全体で脳卒中リハビリテーションを支援する体制が少しずつ増えてきています。

脳卒中は生活習慣や生活習慣病をかかわりの深い病気です。肥満、喫煙、1日1合以上の過度の飲酒といった悪い生活習慣が積み重なると脳卒中を起こすリスクが高くなります。

軽い症状でも脳卒中では、と感じたら、1分でも1秒でも早く専門医のいる病院へ行ってください。脳卒中は恐ろしい病気ですが、施設の整った専門医のいる病院に1分でも早く連れていくことで、死を免れたり後遺症を少なくすることができます。 そのためには、家族に脳卒中の危険因子を多くもつ高齢者がいる場合は、万一の場合、近くのどこの病院に運べばよいかを普段から考えておくことが重要です。予防、対策、対処方法を考え、実践しましょう!

脳卒中について気になる、とりあえず相談してみたいという方は
メール ( web-mst@kusuri-yamashita.co.jp )
もしくは、お電話
フリーダイヤル ( 0120-40-5599 ) にて、
いつでもお気軽にご相談下さいませ。
薬剤師、登録販売者、予防医学指導士がお受け致します。

    該当商品はありません。

商品検索

キーワード検索

価格帯検索
円 ~